「校閲ガール」リアルな実態
 
石原さとみ主演のドラマ「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」が話題となり、「校閲」という仕事が脚光を浴びている。
 
同作は、日本テレビ系列で放送中の、宮木あや子の小説「校閲ガール」(KADOKAWA)が原作の連続ドラマ。おしゃれ好きで、ファッション誌編集者を目指して出版社に入社するも、校閲部に配属された河野悦子(石原さとみ)が、仕事や恋愛に情熱を燃やす姿を描くラブコメディーだ。共演者には、菅田将暉や本田翼、青木崇高などが名を連ねている。
 
校閲とは、書籍などを世の中に出す際、誤字や矛盾、事実誤認を正すことで、社内の校閲部、あるいは校閲を専門とする会社が校閲した上でメディアに掲載されることが多い。しかし、昨今はインターネットの普及により、情報の早さも求められることから、校閲者による校閲がなされないまま、記事が公開されるケースも増えている。では実際にどのくらいのメディアが、いわゆる“校閲ガール”(あるいは“校閲ボーイ”など)を活用しているのだろうか?
 
株式会社宣伝会議が、編集者・ライターを対象にアンケートを行ったところ、校閲を専門とする担当者による校閲を経ず、記事が公開されるケースが6割を超えることがわかった。これはすなわち、編集者・ライター自身が校閲をしているということを示している。

株式会社宣伝会議提供

自身の校閲スキルの認識については「(校閲に対する自信が)ある」「どちらかといえばある」が合わせて半数を超えた。その自信を裏付けるかのように、校閲の甘さから危機的な状況に陥った経験のある編集者やライターは30%弱と、意外にも少ない結果となった。
 

株式会社宣伝会議提供 株式会社宣伝会議提供

 
しかし、校閲のミスは大きな危機を招くケースも少なくない。なお、以前に同社で失敗事例について聞いたところ、以下のような意見が多数寄せられた。
 
・桃太郎と犬猿雉の写真を入れるために正式な写真を手配していたのだが、アタリで入れていた渋谷のハチ公(犬)と、上野にある西郷隆盛の銅像(桃太郎)のまま印刷されてしまった。
 
・ライバルメーカーにあたるA社とB社の会社名を入れ違えて掲載してしまった。両社から「よりによって」と怒られ、顛末書を求められて、平身低頭して謝罪文を書いたが、編集長には「ここまで謝る必要はない」と半分ぐらい削られた。
 
・作家さんから届いた小説原稿に目を通していると、序盤で殺されていたおばあさんが、また殺されていた。きちんと校正していてよかった。
 
・ある企業の広告キャンペーンについて掲載する際、「白い犬のお父さんシリーズ」のはずが、「白いお父さんシリーズ」となっていた。入稿前に気づいたため大事には至らず。
 
・奥付の版元(自社)の電話番号に誤植があり、他社の電話番号だった。訂正シールをつくって社員総出で都内書店で貼って回った。
 
 
校閲者でさえ「校閲者の目を通したどんな書籍や雑誌にも、必ず何かしらの誤植がある。完璧にミスのない書籍・雑誌は存在しないのではないか」(某校閲者)というのだから、校閲そのものが、記事そしてメディアの品質管理という点において、欠かせない機能だということがわかる。本日11月30日の第9話を含め、あと2回となった「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」。地味じゃなく、激しくスゴイ校閲者たちの存在を知れば、よりドラマを楽しめるかもしれない。
 

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【地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子】
日本テレビ系、水曜22時放送
URL:http://www.ntv.co.jp/jimisugo/
 
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    この記事をまとめると…

  • 「地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子」が話題となり、「校閲」という仕事が脚光を浴びている
  • 校閲とは、書籍などを世の中に出す際、誤字や矛盾、事実誤認を正すこと
  • 校閲者たちの存在を知れば、よりドラマを楽しめるかもしれない
この記事を書いたライター
渡辺(WB編集部)
北海道出身の30代。就職と同時に上京し、現在は2児の父親。
         

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